アンティークから手工芸品まで、日々の暮らしを彩るインテリア+アウトドアの道具を集めました。

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No.026  2013.07.22

大自然の中に息づく手工芸を求めて ダーラナへの旅 前編

初めてスウェーデンを訪れ買付けを終えた時、この国にはまた来なくてはいけないと強く感じたことを覚えています。
何故なら、自分たちが触れたのはスウェーデンという国のほんの一部分でしかなく、もっとこの国の壮大な自然を体感したり、この国にしかない文化や手工芸について知りたいと思ったから。この国をもう少し深く知ることで、自分たちが持つ暮らしへの価値観にまた新たな考えが加わるのではないかと思えたからです。
その想いがずっと頭から離れず、1年後も買付け先として再び赴く事にしたスウェーデン。
今回の滞在では、その想いを全うするために、ある地方まで足を延ばすことにしました。
それは、大自然に囲まれた美しい景色と古来からの伝統的な文化に触れることができるダーラナ地方。
スウェーデン中部に位置するその土地は、時に『スウェーデンの心』と呼ばれることもあるそうです。
ただの買付けとは決して言えない、ダーラナ地方での貴重な体験を前編・後編に分けてお届けできればと思います。





スウェーデンに到着した翌日、今回のメインイベントであるダーラナ地方への小旅行へ出発。 二泊三日の車の旅です。
ストックホルムからダーラナまでは車で約4時間半、真っすぐ伸びるフリーウェイをひたすら走っていきます。
長いようですが、どこまでも続く美しい野原の風景を見ていると時間が経つのも忘れてしまう程でした。
綺麗な青空が見えるものの、大きな雲に阻まれて、道中は雨が降ったり止んだり。ダーラナのお天気も心配でしたが、初日の目的地であるDala-Floda(ダーラ・フローダ)に着くと、私たちの心配はよそに晴れた青空。幸先が良いスタートを切れたようです。





一日目の買付け先は1軒のみ。昔のダーラナの生活様式を垣間みることができる古い民家を自宅にし、その手前の納屋がアンティークショップになっている、正にダーラナの歴史資料館のような所です。
こちらのオーナーであるご夫婦は、今でも昔さながらの生活を送られているそうで、特別にご自宅にもお邪魔させて頂きました。オーナーさんの説明のもと、ダーラナ地方では昔から手工芸というものがいかに身近な存在であったか、また、あまり裕福ではなかったこの地域では近隣住民との助け合いがいかに重要であったかを知ることができました。
ショップには、ただ古いだけではなく、ほぼ当時のままに維持された非常に状態の良い手工芸品が展示されています。
ほとんどは、現地でもなかなか手に入れることができない貴重なものだそうです。
こちらにあった織物は、緻密に編込まれた天然素材の風合いが素晴らしいものばかり。思わず麻糸の美しさに見入ること数分。どれも素敵でしたが、その中から気に入った柄を吟味しいくつか購入しました。
次に目についたのは、農家で使われていたと思われる大振りの木製スプーン。風合い・フォルムを見ただけで背景を感じ取れる一品だったので、沢山展示されていた農具類の中からはそれを選ぶことにしました。
ダーラナで古くから受け継がれている本物の民芸に触れ、時を経た素材の素晴らしさにただただ感嘆。
オーナーさんにこの感動とお礼を伝え、こちらの場所を後にしました。





充実した買付けを終え、本日の宿泊先である‘Dala-Floda Vardshus’へ!この宿に泊まるためにダーラナへ行く事を決めたと言っても過言ではない、私たちにとって特別な宿です。
私たちを迎え入れてくれたのは、黄色い門の先にある素朴で可愛らしい木造家屋でした。こちらの宿のオーナーさんもDala-Flodaに住み続けているご夫婦。100年以上の歴史を持つこの宿は、近隣住民が引き継ぎながら、ずっと運営されてきたそうです。
この日はゲストが少なかったこともあり、私たちが通されたゲストルームはこの宿で一番素敵だと評判の1号室。
期待に胸を膨らませ、どきどきしながら扉を開けると...
ダーラナ特有の花模様・クルビッツが描かれたドア、アンティークショップで見たような織物から成るベッドカーテンやラグ、粗野なデザインながら木の風合いが生かされたテーブルや椅子。
そこには、ダーラナの伝統的な生活文化を肌で感じられるような温もりに溢れた空間がありました。
決して豪華な煌びやかさなどはない、しかし全ての要素に手仕事ならではの優しさや味わい深さが宿っている。
これは何物にも代え難い贅沢ではなかろうかと、全身で感じ取れた瞬間だったように思います。





夕食まで少し時間があったので、宿の近くを散策することにしました。静かなFlosjon湖畔に建つ‘Dala-Floda Vardshus’では、凛とした大自然をすぐ身近に楽しむことができるのも醍醐味の1つ。 ハーブや青い小花をつけた可愛らしい野草が生える宿の庭から2・3分歩けば、湖畔に辿り着きます。
そこから見える景色は、思わず息を呑んでしまう程、透明で澄み渡った湖。ここまで澄んだ鏡のような湖を見たのは人生で初めてかもしれません。その景色に圧倒され、吸い込まれそうな空と水面をただずっと眺めてしまいました。





こちらの宿の食事は地産地消を基本にするエコロジーフード。
庭先で作られたハーブや近くで採れた有機野菜、近所の農場で育てられた羊や山羊を用いたディナーは、まさか北欧で味わえるとは思いもしなかった素晴らしいレベルのお料理!パンはオーナーのご主人による自家製のもので、どこまでもこの土地に根ざした料理を提供しようとする心意気に感銘を受けました。
また、見た瞬間に心を奪われたのは、ダイニングテーブルのシンプルながら上品なしつらえ。
テーブルランナーとして敷かれたダーラナの織物、テーブルの中央には庭先に咲いていた青い小花。
テーブルコーディネートにも、オーナーご夫婦のこの土地への愛が溢れていました。
シリアルが並んだ翌朝の朝食も、盛りつけられた器はダーラナの木工職人達が削り出して作ったであろうウッドボウル。
そこに添えられているのは、彫り物が施され年季の入ったウッドスプーン。
アンティークショップでも目にしたような、古くからこの土地で受け継がれてきた手工芸品の数々です。

当たり前のように、自分たちが暮らす土地のものを愛し大切に使い続けていく。
この宿が貫いているスタイルを体験し、私たちは日々暮らす中で知らず知らずの内に生活の根本を見失いつつあるのではないかと感じました。
自然と共に生きていく人間の暮らしとは、本来このような姿だったのではないかと.....。
この宿で見たり感じたりしたことは、忘れかけていた大切なものを思い出させるかのように、私たちの心に訴えかけてくるとても尊い体験でした。







‘Dala-Floda Vardshus’での夢のような滞在を終え、二日目に向かった先はDala-Flodaよりも北東に位置するDjuras(ユラス)。
そこまでの道のりは、どこまでも広い空と見渡す限りの草原が続きます。所々、草原の中に建ち並ぶファールンレッドと呼ばれる赤い塗料で塗られた家々。いかにもスウェーデンの田舎町らしい可愛い景色です。
20分ほど走ったところで、本日の買付け先である‘TULAVIPPAN’に到着。倉庫のような、とても大きな屋内LOPPISです。中に入ると、この通りものすごい物量!見切れるのかな〜と心配になりながら、早速品定めしていくことにしました。
ここのおもしろい点は、スウェーデンのメーカーであるKOCKUMS、Rorstrand、Gustavsberg、お隣フィンランドのプロダクトももちろん沢山あるのですが、やっぱり手工芸品の類も数多く見られること。さすがダーラナにある巨大LOPPIS!また年代や出所が不明であったり、状態が良くない分、アンティークショップよりもかなりリーズナブルな価格で販売されています。3時間近くかかりましたが、お陰さまで、日々の生活に役立ちそうなホーローグッズや味がでたウッドものなどを沢山手に入れることができました。





充実した買付けに大満足したところで、二日目のお仕事も終了。
そして、私たちは次の目的を果たすため、Siljan湖沿いを北上しRattvik(レットビーク)の街に向かいました。
その目的とは.....
何を隠そう、私たちがこの旅で一番楽しみにしていた湖畔沿いのキャンプ!白夜の中での北欧キャンプです。
Rattvikにあるキャンプ場にチェックインし、テント場を探しにいくと、また今までに目にしたことのないような景色が目の前に現れました。 こんな所でキャンプができるなんて、極上の幸せ!
穏やかな水面と太陽を一面に臨むことができる絶好のロケーションを陣取って、素晴らしい景色を眺めながら今宵は簡単なBBQパーティー。少しずつ暮れていく白夜の空、夏の北欧の素晴らしさを心行くまで堪能した夜でした...。

この後もまだまだダーラナの買付けは続きます。3日目の出来事は後編でお送りしますので、引き続きお楽しみに!

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