アンティークから手工芸品まで、日々の暮らしを彩るインテリア+アウトドアの道具を集めました。

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No.027  2013.12.20

大自然の中に息づく手工芸を求めて ダーラナへの旅 後編





ほんの少しだけ陽が沈み、また徐々に明るくなっていく白夜の空。
キャンプ場で迎えた次の日の朝、テントから外へ出ると、また夕暮れ時とは違う絶景が目の前に広がっていました。
果てしなく青く穏やかな水面を、鴨が列をなして優雅に泳いでいます。なんて癒される光景でしょう。
天気は良いものの、まだ少し肌寒い朝。
コーヒーを淹れて暖まりながら、この素晴らしい景色の傍らで簡単な朝食をとりました。
昨日の晩到着した時には気付きませんでしたが、Siljan湖を見渡せる桟橋があることを発見。
朝食後、運動がてらその桟橋へ行ってみることに。
桟橋の麓に立つと、どんどん青みを増して行く空と水面に吸い込まれそうな気分!
これほどに澄んでいて美しい湖は今までに見たことがありませんでした。この時に観た光景は、どんなに時が経っても色褪せることなく脳裏に焼き付いています。その位インパクトがあり感動した景色、ダーラナの自然の偉大さを垣間見た瞬間でした。





湖の美しさに大興奮していたら、予定よりも大幅に時間オーバー。慌てて、本日の買付け先へ向かうことにしました。
次なる目的地は、Rattvik(レットビーク)を南下した Tallberg(テルベリ)にある白樺や松を使った工芸品の工房です。
工房へ向かう道中は、一面に菜の花が咲き乱れる牧歌的な景色も。まるで黄色い絨毯のようです。
そんな景色に心を躍らせていると、工房の目印である可愛らしい看板を発見しました。想像以上にのどかなロケーションでビックリ。





中へ入ると、職人であるご主人が丁寧に木を削っていました。
家族経営のこちらの工房では、1983年の創業以来ずっとご主人が自らの手を動かし、製品を作り続けています。
メインの製品は、松の薄いスライスを編んだカゴと白樺を削りだしたカッティングボードなど。
1点1点丁寧に編まれたカゴの端々の処理や、滑らかに削りだされたカッティングボードのフォルムは目を見張るものがあります。悲しいことに、スウェーデンでももうこの技術を持った職人さんは稀なんだとか。それだけに、こちらの工房の心のこもった品々は価値あるものだと言えるでしょう。
見ていると、全部欲しくなってしまうほど素晴らしいものばかりでしたが、発送することを頭に入れて日常使いしやすい小物類を購入しました。
私たちが色々見ている間も、ずっと黙々と作業をしていたご主人。さすが職人!頭が下がります。






こちらの工房を後にし、次に向かったのはダーラナ地方の中心的な街 Leksands(レクサンド)。 Tallberg をまた少し南下したところにある街です。
Leksands の外れに差し掛かったあたりで、ここでも偶然ウッドクラフトの工房を発見しました。
2階建ての大きな工房で、中を覗いてみると1階では家具なども製作している模様。
お店も開いているようなので、矢印の方向に従って2階へ上がってみました。
迎え入れてくれたのは、可愛らしい木彫りの人形。奥へ目を向けると、この人形を作ったであろうご主人がにこやかに挨拶をしてくれました。ご主人の作業台には、木を加工する道具がずらり!そして、まるで作業した歴史が刻まれているかのように、作業台の天板はぼこぼこ!とても印象的な光景でした。
この2軒の他にも、紡績工場や織物の工房などもあるダーラナ地方。
昔も今も変わらず、モノ作りをする土壌が育まれているのでしょう。







Leksands の中心部まで来て一休憩。
この街は中央に、Siljan湖が尻窄みになってできた大きな川が流れています。
川のほとりにはデッキが敷かれ、街の人々の憩いの場に。カモメも飛び交い、ここもまた美しいスポットです。
ダーラナでの買付けもこの地で終了。
最後に私たちが向かったのは、コレクターとして名高いエヴァさんがオーナーを努めるアンティークショップでした。
ここのお店は軒先のディスプレイも素敵!それだけでテンションが上がってしまいましたが、中へ入ると、もっとすごいことに!そこには、ダーラナの各地域で受け継がれて来たグッズが所狭しと並んでいました。ストックホルムでもダーラナの他の場所でも見たことがないような興味深い商品がいっぱい!年季の入った農具類、味が出たクラフトもの、ダーラナを象徴するファブリックの数々。どれをとっても、とても古いもので希少性が高く、スウェーデンでも貴重なものばかりです。見ていると、エヴァさんが説明をしてくれるのもこのお店の醍醐味かもしれません。ダーラナの工芸品に限らず、スウェーデンの Rorstrand や KOCKUMS などの製品もなかなか目にしないレアなアイテムが並んでいます。
お店の隅から隅まで見せて頂いて滞在すること約2時間、最後にふさわしく素晴らしい買付けをすることができました。





後ろ髪引かれる思いでしたが、長いようで短かったダーラナへの小旅行もおしまい。
まさかこの土地を訪れることができるなんて、何年か前まで想像したこともありませんでした。 しかし、1年前に初めてスウェーデンを訪れて、「次に来る時は必ずダーラナへ」と感じた欲求を実行に移したことは大正解だったように思います。

人間が自然と寄り添いながら生活することの尊さ、その生活から成り立った文化の素晴らしさを身をもって学ぶことができたダーラナでの体験。
この体験は、紛れもなく私たちの人生観に大きな影響を与える出来事だったな ...
帰りの車中でこの3日間の出来事を思い返し、そう確信しました。 同時に、「今度はこの体験を私たちの活動に生かしていきたい」と、新たな欲求が芽生えたストックホルムへの帰り道でした。

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